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劇団1980第60回公演 「ー粕谷怪談ー贋作蘆花傳」

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作品名
劇団1980第60回公演

ー粕谷怪談ー
贋作蘆花傳
かすやかいだん がんさくろかでん

作・演出 ◎ 渡辺千明

明治40(1907)年、戦争に向かう時代に背を向け、『不如帰(ほととぎす)』の作者徳冨蘆花は「美的百姓」になると宣言し、世田谷・千歳村粕谷に引きこもる。が、大正3(1914)年のある夜、蘆花が恒春園と称した屋敷に化け物たちが現れた。
ーー『不如帰』を書き直せ!
時あたかも第一次世界大戦が始まった、今からちょうど百年前。近代日本の「精神」の在りかを巡る蘆花と化け物たちとの、奇想天外にして大真面目(!)な闘いの顛末や如何!? 〈喜劇ニッポン〉を連作し続けるハチマルがおくる渾身作。

公演場所

東京両国 シアターX(カイ)
東京都墨田区両国2-10-14 両国シティコア1階 
03-5624-1181

シアターX(カイ)ホームページ
http://www.theaterx.jp/

公演日程 

2014年(平成26年)12月3日(水)〜7日(日)

3(水) 4(木) 5(金) 6(土) 7(日)
2時開演
7時開演
※開場は、各開演時間の30分前

入場料金
一般前売=4,500円、当日=5,000円、
学生・シニア(65歳以上)=3,000円(前売・当日共)
※日時指定・全席指定席
 

チケット取扱い
《劇団1980チケット専用ダイヤル》
03-3321-7898
 
(平日12:00〜18:00受付/土日祝は休み)

《インターネットでのお申し込み》
インターネット予約:劇団1980 チケット予約フォーム

前売りチケット発売中! ネット予約はこちらから

※フォームにてご記入送信いただき、空席状況等確認の上折り返しメール返信いたします。
※ご予約完了したお客様は、当日受付で料金精算の上ご入場いただくことになります。

《チケットぴあ:http://pia.jp/
※PC/携帯/スマートフォン共通
セブン‐イレブン、サークルKサンクス、チケットぴあ店舗
   0570-02-9999 (Pコード:440-634)

11月10日(月)前売チケット発売


スタッフ

装置・衣裳 …… 佐々波雅子                   
照明    …… 古宮俊昭
音響    …… 齋藤美佐男
音楽    …… 平岩佐和子
振付    …… 春日鶴壽
三味線指導 …… 鶴賀?代寿郎
殺陣指導  …… 佐藤正行
舞台監督  …… 翁長 諭
演出助手  …… 高木宏道
写真    …… 宮内 勝
記録    …… 北澤栄博
企画・制作 …… 柴田義之
協力    …… 山野英明
土取利行
         クィーンズアベニューα
         スタッフ・プラス
         サムライプロモーション
         ファーストピック

後援:TBSラジオ&コミュニケーションズ
主催:劇団1980

シアターX(カイ)提携公演

助成:文化庁文化芸術振興費補助金
    (トップレベルの舞台芸術創造事業)

出演

柴田義之
藤川一歩
山本隆世
翁長 諭
木之村達也
小出康統
前屋和喜
金丸卓也
大田怜治

上野裕子
光木麻美

石川慎二

星野有里(サムライプロモーション)
水井ちあき(フリー)
西岡優妃(スタッフ・プラス)

作品解説

明治31年、国民新聞に連載され熱狂的人気を博した新聞小説『不如帰(ほととぎす』。同33年に出版された書籍は明治最大のベストセラーとなり、“日本的メロドラマの原型”をつくったとさえ言われる徳冨蘆花の傑作です。
 当時の死病<結核>を病み、婚家から離縁され、結婚間もない夫と引き裂かれたヒロイン浪子は、「ああつらい。もう…もう決して女になんぞ生まれはしませんよ!」と叫びつつ死んでいきます。その悲劇は、時を置かず新派劇となり映画となり歌謡となって、当時の婦女子たちの紅涙をしぼり、そればかりか現代に於いても尚、さまざまな「難病もの」「運命悲劇」のバリエーションを生み出し続けています。

一方で、作者の徳富蘆花は、近年の研究や日記の公刊によって、その実像は単なる「通俗小説作家」や「大ヒットメロドラマの作者」の枠に収まるものではなく、明治44年、幸徳秋水らが刑死した大逆事件に際しては『謀反論』と題した堂々たる政府批判の論陣を張り、さらにその一方では、妻・愛子と暮らす都下・世田谷村粕谷の屋敷で同居する若い女中たちへの日夜つのる「劣情」に悶え苦しむといった、きわめて人間的な、喜劇的な魅力に満ちた人物としての一面が明らかになりつつあります。

蘆花、本名:徳富伝次郎が熊本・水俣にその生を受けたのは1868年、つまりちょうど明治の初年ーー。
この作品は、その後の日本が歩んだ富国強兵を国是とする「近代化」がはらんだ矛盾が、そのまま『不如帰』の作者蘆花の矛盾・葛藤として現れているという視点に立ち、わがままと猜疑心、思い込みとコンプレックス、直情と劣情、義挙と奇行に溢れた蘆花の喜劇的破天荒ぶりを描きながら、一方で盲目的に国力を膨張させ悲劇的戦争へと向かっていった日本そのものをあぶり出していきます。

物語は、『謀反論』、『蘆花日記』、実兄・徳冨蘇峰との対立、突然の富士登山、パレスチナ巡礼、トルストイ訪問、「美的百姓宣言」など、史実に即した蘆花の伝記的(伝奇的?)事跡をたどるとともに、小説上で蘆花に理不尽に「殺された」浪子が、『不如帰』の書き直しを迫るためにあの世から舞い戻ってくるという虚実渾然・奇想天外な仕掛けで、徳富蘆花58年の実人生を超えた「破天荒」の中から、「明治150年」が抱え続ける日本近代の宿命的な矛盾を浮かび上がらせてみたいと思います。